レビュー。

倒れてる間は延々と本読んでました。

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)

村上春樹『蛍・納屋を焼く その他の短編』
表題作にも挙げられている『蛍』は史上最高の神作品だと思うよ。
“ダッフル・コートの厚い布地をとおして、僕は彼女の息づかいを感じとることができた。でも、それだけだった。彼女の求めているのは僕の腕ではなく、『誰か』の腕だった。僕の温もりではなく、『誰かの温もり』だった…”
一部引用。独特の哲学的な文章に切なさが混じってなんともいえないよさがかもし出されています。『納屋を焼く』は読み終わった人によって『納屋』が何を意味するか分かれると思う。個人的には『踊る小人』の黒さが大好き。
ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

古橋秀之『ある日、爆弾が落ちてきて』
表紙で逃げるな。逃げる奴は糞だ。此処まで言い切れるほどのクオリティの作品。違う時間と違う世界にほのかな恋心を掛け合わせた不思議な短編集。それぞれのオチも秀逸。そして『文章でしか表現できない面白さ』をしっかり現している。特に『恋する死者の夜』の切なさと退廃感がなんとも。ほのぼのとした『三時間目のまどか』もお勧め。
サクリファイス

サクリファイス

近藤史恵『サクリファイス』
自転車ロードレースをテーマにした珍しい作品。 選手の思惑、レース中の駆け引き、レース展開、その描写は全て真に迫り、読み手をロードレースの世界へと引きずり込む。
自分を犠牲にしてもエースやチームを勝たせるというスポーツはほかにあまりないのではないだろうか。チームのエースは本当に当時のエースをつぶしたのか?その疑惑は明かされないまま最後まで。
…終盤の怒涛の展開で、『サクリファイス』というタイトルの意味、そして『エースであること』の意味が分かる。なんともいえない読後感を覚えます。
人類は衰退しました (ガガガ文庫)

人類は衰退しました (ガガガ文庫)

田中ロミオ人類は衰退しました
もともと気になるエロゲライターさんなんですが(何、一巻が中々見つかんなかったんだよね。金がない時期にゎたるが見つけやがりましたww買わざるをえないww
なんというかまぁ、ほのぼのとした話ですわ。妖精さん可愛い。さすがシナリオライターというべきか、掛け合いが秀逸。
なかなかブラックジョーク的な一面もあってよかった。
…最後なのにグダグダですいませんね。マジで書きにくい話なんですよ。これ。読むことをお勧めします。